私は現在、義理の父と一緒に外仕事をしています。世代の違いからくる価値観のズレを感じることもしばしばあります。そんな中、最近の暑さに関する出来事で印象に残ったことがありました。
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今の時代、服は“機能性”で選ぶ
6月とはいえ、外での作業はすでに夏のように暑い日が続いています。私はできるだけ快適に、かつ健康的に働けるようにと、ワークマンやユニクロなどで通気性とUVカットを兼ね備えた夏用の長袖を探しました。
その結果たどり着いたのが、ユニクロの「ドライEX UVカット長袖Tシャツ」です。通気性が高く、速乾性もあり、日焼けもしにくい。実際に着てみて、非常に快適で仕事中も気持ちよく過ごせています。
一方、義父はヒートテック
ところが、義父は冬から着続けているヒートテックのような温かい服を今も着ていました。明らかに暑そうに見えたので、「その服、暑くないですか?」と聞いてみました。
すると義父は、「これから8月にかけてもっと暑くなるから、今のうちから体を慣らしておく」とのこと。そして、「お前が着てる服はそれ以上涼しいものはないやろ?」とも。
私は「そーゆーことかー」と思いつつも、内心では「それって意味あるの?」という疑問が湧いてきました。今からしんどい思いをしても、逆にストレスがたまるだけじゃない?と思ったのが正直なところです。
むしろ私は、今から空調服の導入を真剣に検討しているくらい。外仕事をしている時点で、ある程度は暑さに慣れていくのでは?という考えもありました。
この疑問から「暑熱順化」について調べてみることにしました。
暑熱順化とは?
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、人間の体が高温環境に繰り返しさらされることで、徐々に暑さに強くなる生理的な適応現象です。
✅ 暑熱順化で体に起こる変化
- 発汗量が増える(効率的に体温を下げやすくなる)
- 汗の成分が薄くなる(塩分の損失が減る)
- 皮膚の血流量が増加(熱を外に逃しやすくなる)
- 心拍数の安定(心臓への負担が減る)
- 深部体温の上昇が抑えられる(内臓温度の上昇がゆるやかになる)
義父の考えは科学的に正しいのか?
「今のうちから暑い服を着て体を慣らす」という義父の考え方は、理論上は合っています。暑熱順化は、連日30分〜1時間程度の軽い運動や汗をかく程度の活動を1〜2週間続けることで得られるとされています(厚労省やスポーツ庁も推奨)。
つまり、軽い熱ストレスを与えることは有効です。
⚠️ ただし、リスクもあります
服装によって過剰に体温が上がると、逆効果になります。特にヒートテックのような保温性重視の服は、夏場に着ると以下のようなリスクがあります:
- 熱がこもって体温が下がらない
- 汗が蒸発しにくく、冷却効果が低い
- 脱水や熱中症のリスクが高まる
- 高齢者は暑さの感覚が鈍くなっており、症状に気づきにくい
では何がベスト?
✅ 暑熱順化を安全に行うには:
- 通気性とUVカット機能のある服を選ぶ(ユニクロのドライEXなど)
- 軽い運動や作業で汗をかく習慣をつける(30分〜60分)
- 水分・塩分をこまめに補給する
- 湯船に15分程度浸かって発汗を促す
- 睡眠や休養で回復する
📌 ポイントまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
義父の意見 | 暑熱順化を狙ったもので、理にかなっている部分もある |
問題点 | ヒートテックのような服は熱がこもりすぎて危険 |
ベストな方法 | 通気性の良い服で軽い熱ストレス+こまめな水分補給 |
こんな人に暑熱順化は必要
- 外仕事をする人(建設・農業・配送など)
- スポーツをする人(学生・アスリート)
- 高温の工場や厨房で働く人
- 高齢者(体温調節機能が弱くなっている)
📚 参考資料
- 厚生労働省:熱中症予防情報サイト
- スポーツ庁:運動時の熱中症対策ガイドライン
- CDC(米国疾病予防管理センター):Heat Stress Guidance
この記事を通じて、世代間の価値観の違いから学びを得つつ、科学的な視点で「暑さへの対策」を考えるきっかけになれば幸いです。
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