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■はじめに:義父との出会いと葛藤の始まり
結婚を決め、妻の家族と深く関わるようになった私にとって、義父との関係は喜びと戸惑いの両方をもたらすものでした。義父は私を好意的に受け入れてくれ、義家族との関係も総じて良好でした。しかし、宗教や仕事観、生活に対する価値観の違いは想像以上に大きく、そのギャップが心の中に少しずつ重くのしかかってきました。
宗教的な違いについては、早い段階で理解を得て一線を引くことができましたが、価値観、とくに「働き方」に関する義父の考え方は、私にとって大きなプレッシャーとなりました。
■義父の価値観:仕事中心の人生と誇り
義父は40歳前後で独立し、自営業で家族を養ってきた人物です。専業主婦である義母との間に3人の子どもを持ち、奨学金を使うことなく育て上げたという事実には、心から尊敬の念を抱いています。義父の中では「仕事こそ人生の軸」であり、「個人で稼ぐことこそが自立した大人の姿」でした。
しかし、その価値観は、会社員として働いていた当時の私のライフスタイルとは大きくかけ離れていました。
■義父の言葉と心の葛藤
私は大手食品メーカーに勤め、年収400万円を超え、有給も比較的自由に取れ、福利厚生も整った「ホワイト企業」で働いていました。カレンダー通りの休日、家賃補助、残業も基本的には少なめという条件のもと、仕事とプライベートのバランスに満足していたのです。
それでも義父は、私の働き方に対して率直な──しかし悪意のない──批判を投げかけてきました。
- 「そんな収入ではご飯も我慢せんといかんのやないか?」
- 「旅行も外食も行けんやろ?」
- 「三交代の働き方はしんどいな〜」
- 「製造は臭いんやないか?わしなら耐えれんな〜」
- 「その仕事はやりがいはなかろ〜」
何度も繰り返される義父の言葉には、確かに悪意がないことは理解していました。しかし、どれほど無自覚であっても、その言葉の積み重ねは、私の心の中に少しずつ影を落としていきました。最初は軽く流していたつもりでも、気がつけば、自尊心を少しずつすり減らされているような感覚に陥っていたのです。
それらの言葉は、私がこれまで大切にしてきた働き方や人生の選択を否定されているように聞こえました。自分なりに努力して築いてきた道のりを、まるで「間違っている」と断じられたように感じ、胸の奥には深い傷と苛立ちが残りました。プライドがズタズタにされたような思いにさえなり、「なぜここまで否定されなければならないのか」と苦しくなることもありました。
その苛立ちは簡単に消えるものではなく、今でもふとした瞬間に当時のことを思い出しては、感情が揺さぶられ、許せない自分に気づくこともあります。
しかし、時間をかけて義父と向き合う中で、ようやく見えてきたこともありました。義父の発言の裏には、決して悪意ではなく、“善意”や“心配”といった想いがあったのだということです。義父なりの価値観や人生経験から、私の将来を案じてくれていたことに、次第に気づけるようになりました。言葉の選び方こそ違えど、その根底には私を想う気持ちがあったのだと、今では少しずつ受け入れられるようになってきました。
■「個人で稼ぐ」ことへの共感と不安
私は当時から「個人で稼ぐ力」の重要性を感じており、リベ大や様々な書籍を通して副業やスキルアップにも興味を持っていました。しかし、いざ義父のように自営業として働くことを想像すると、次のような不安がよぎりました。
- 休日がほとんどないこと
- 収入が不安定であること
- 失敗すれば人生に大きなダメージがあること
営業を手伝ってみても、「このやり方は今の時代には合わない」と感じる場面も多く、自分の世代では通用しないと感じることもありました。
■決断とこれからの目標
最終的に私は会社を辞め、義父の仕事を引き継ぐことになりました。心のどこかでは義父の考えを理解していたからこその決断でした。
ただし、それが私の“最終形”ではありません。私には明確な夢があります。
- カメラの仕事やカフェの経営に携わりたい
- ブログや副業で収入源を分散させたい
- 趣味と仕事を両立させ、人生をもっと自由に生きたい
- 海外旅行を楽しみながら、現地で写真の仕事をしたい
その夢を叶えるために、次のような5年計画を立てました。
■5年後のビジョンと現在の取り組み
【短期目標(1〜2年)】
- ブログの継続と収益化(月5万円を目標)
- 簿記やFPの取得を通じたお金の知識習得
- 本業のスキルアップと安定収入の確保(年収400万円)
【中期目標(3〜5年)】
- ウェブデザインを学び、副収入(月1万円以上)を得る
- 複数の収入源を確立し、仕事と趣味のバランスを整える
- カメラ・カフェの仕事へ段階的にシフト
- 海外旅行や写真を通じた経験を積む
■義父からの学びと感情の整理
正直なところ、義父の言葉に傷ついた時期もありました。今でも感謝の気持ちまでは抱けていません。しかし、義父がいなければ今のような「自分で稼ぐ人生」への覚悟は生まれなかったのも事実です。
私には休みが必要であり、プライベートを充実させたいという強い願いがあります。だからこそ、義父とは違った形で「個人で稼ぐ」人生を築きたい。その上で、自分のスタイルを確立し、いずれは義父を見返すくらいの成果を上げたいと本気で思っています。
■まとめ:価値観の違いは“成長のきっかけ”
義父との価値観の違いは、私にとって大きな壁でしたが、それは同時に「自分自身の価値観を明確にするチャンス」でもありました。
私が大切にしたいのは、仕事とプライベートの両立、安定と挑戦のバランス、そして心から楽しめる生き方です。
これからも試行錯誤は続くでしょうが、自分なりのやり方で、人生を切り開いていきたいと思っています。