公的保険

介護保険をうまく活用して、お互いの負担を軽減する方法

――40歳からの制度を知れば、家族はもっと楽になる

介護は、ある日突然始まります。
そして多くの場合、家族が一人で抱え込んでしまうところから苦しくなります。

私の家庭もそうでした。

  • 母は仕事をしていて、簡単に休めない
  • 祖母は少しずつ体が弱り、
    トイレから出られなくなる
    立ちくらみのように倒れる
    外出先で動悸がして動けなくなる

「このまま家で一人にして大丈夫なのか」
そんな不安を感じながらも、どうすればいいのかわからない。

そこで学んだのが、介護保険という公的制度でした。

この記事では、
介護保険をうまく活用することで、介護される側・する側の両方の負担を軽減する方法を、
実体験と公的データをもとにお伝えします。


介護保険はなぜ「40歳から」始まるのか

日本の介護保険制度では、40歳以上になると介護保険料を支払います。

被保険者の区分

  • 第1号被保険者:65歳以上
    → 介護が必要になれば、原因を問わず利用可能
  • 第2号被保険者:40〜64歳
    → がん・脳血管疾患など特定疾病に該当する場合のみ利用可能

40歳から支払う理由は、
「自分が将来使うため」だけではありません。

👉 介護を必要とする人を、社会全体で支える仕組み
👉 家族だけで背負わせないための制度

この考え方自体は、厚生労働省が公式に示している制度趣旨と一致しています。

📘出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10548.html


介護サービスは本当に「1割負担」でいいの?

結論から言うと、多くの人は1割負担です。
ただし、所得によっては2割・3割になる場合があります。

自己負担割合の基本

  • 1割負担:多くの高齢者が該当
  • 2割・3割負担:一定以上の所得がある場合

重要なのは、
👉 負担割合は市区町村が、本人と世帯の所得をもとに判定する
という点です。

「うちは1割?2割?」と迷ったら、
地域包括支援センターや市役所に相談すれば無料で確認できます。

📘出典:厚生労働省「介護保険の利用者負担」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html

※負担割合や保険料は、年度や自治体によって細かく異なるため、
実際の利用時は必ずお住まいの市町村で確認してください。


デイサービス・デイケアを使うと、家族はどう変わるか

私の家庭では、まず週1回だけデイケア(通所サービス)を利用しました。

正直、最初は不安もありました。
しかし、意外にも祖母は、

  • 「楽しかった」
  • 「また行きたい」

と前向きな反応。

その結果、

  • 祖母には「外に出る楽しみ」ができ
  • 母は仕事に集中でき
  • 家族全体の不安が減った

という変化が起きました。

その後、週2回、週3回と無理のないペースで増やしていき、
生活の一部として定着していきました。


デイサービスの平均利用頻度はどれくらい?

厚生労働省関連データをもとにした調査では、

  • 要介護1の平均利用回数:月9.7回

つまり、

👉 週2〜2.5回程度が平均的

ということになります。

「週1回から慣らして、週2〜3回へ」
この使い方は、現実的で一般的なパターンと言えます。

📘出典:ハートページ(厚労省データ解説)
https://www.heartpage.jp/contents/magazine/08-01283


デイサービスの費用目安|1割負担の場合

1回あたりの自己負担(目安)

※6〜7時間利用・1割負担の場合

  • 要介護1:600円前後
  • 要介護2:700円前後
  • 要介護3:800円前後

これに加えて、

  • 食費(500〜700円程度)
  • 日用品代などの実費

がかかることが多く、

👉 1回あたり約1,200〜2,000円前後
👉 月9〜10回で1〜2万円台

がひとつの目安になります。

📘出典:ベネッセ介護費用解説
https://kaigo.benesse-style-care.co.jp/article/knowledge/fee/service/day_service/fee


施設に預けた場合の費用|介護保険だけでは足りない

施設入所の場合、

  • 介護サービス費(1〜3割負担)
  • 居住費(部屋代)
  • 食費
  • 日常生活費

が必要になります。

生命保険文化センターの調査では、

  • 在宅介護:月平均 約5.3万円
  • 施設介護:月平均 約13.8万円

という差が出ています。

📘出典:生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html

👉 だからこそ、
在宅+デイサービスを組み合わせる介護は、
費用面・精神面の両方で負担を抑えやすい選択肢になります。


負担を軽減するために知っておきたい制度

高額介護サービス費

1か月の自己負担が一定額を超えた場合、
超えた分が払い戻される制度です。

📘出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf


補足給付(特定入所者介護サービス費)

施設利用時の食費・居住費が軽減される制度。
所得や資産要件があります。

📘出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001164209.pdf


ケアマネジャーは原則「自己負担なし」

介護計画の作成・調整を行うケアマネジメント費用は、
介護保険で全額カバーされます。

👉 介護で迷ったら、まずケアマネに相談するのが最短ルートです。


祖母の一番の“ボケ防止”は、実はひい孫かもしれない

祖母は、ときどき
私と兄の名前を間違えることがありました。

それが、
「ひ孫が生まれる」と知ってからは、

「2月に生まれるんよな?」

と、しっかり覚えているのです。

生まれてからは、
会いに来てくれる時間が生きがいのようになっています。

制度やお金も大切ですが、
人とのつながりが心と体を支える
それも、介護を考えるうえで忘れてはいけない視点だと感じています。


まとめ|介護保険は「家族が潰れないための制度」

  • 介護保険は40歳から、社会全体で支える仕組み
  • 自己負担は原則1割(所得により2〜3割)
  • デイサービスは週2〜3回が平均的
  • 在宅+通所サービスは負担を抑えやすい
  • 制度は「知っているかどうか」で差が出る

介護保険を使うことは、甘えではありません。
それは、

  • 介護される人の尊厳を守り
  • 介護する人の人生を守る

ための、正しい選択です。

※制度の細かな条件や金額は、
必ずお住まいの市町村・地域包括支援センターで確認してください。

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